Martin Stadfeld 平均律
先週の金曜日、ベルリンのデパート内で開催されたインストアイベントに家族で行って来た。
去年と同じ、マルティンの新作CDプロモーションのためのトーク&演奏。 去年のシューベルトのときは、私とぷっちで開演の30分前に行ったら一番乗りだったのだが、今回は45分前に到着したときにはすでに満席だった。しかたがないので階段のピアノがよく見える位置に座って待機していたら、その後も続々とお客さんが来て、会場は脚の踏み場もないほどに!去年の4倍近くの人出だったと思う。若い人も結構、来ていた。中にはアジア人で、知り合いに頼まれでもしたのか、サイン用のCDカバーを大量に持って来て準備している人もいたし、ドイツ人の客もカメラをスタンバイさせていた。 いつの間にかすごい人気〜。 演奏は、平均律1〜7番までと、トークを挟んでその語9番と、あとえーと何番だったっけな?2曲。 1番が始まった瞬間、「あっ。音が前と変わった」と思った。すごーくソフトで沁み入るような音色。でも、3番くらいから明暗がはっきりとして、すごい感情表現。 演奏はとても気に入ったのだが、ペダルを小刻みに使っていて、私達があまりに低い位置に座っていたからだと思うが、ペダル音がちょっと気になった。 トークの方は、司会者があまり上手ではなかったこともあり、あまり目新しい話は聞けなかった。あちこちで語っていることの繰り返しになるが、青少年を対象とした芸術プロジェクトの一環でマルティンが職業学校を訪問し、演奏していることが話題になり、「どうしてよりによってバッハなんですか?音楽の知識のない子どもにはわかりにくいんじゃないですか?」という質問に、「予備知識がないからこそ、バッハなんです。バッハは難解で、音大を出た者にしか理解できないというのは嘘です。バッハの音楽は人間の感情そのものですから、誰の心にも響くんです」と説明していた。 「あなたの音楽の原点はやはりバッハで、これからも変わらないということでしょうか?」に対しては、「はい、そうです。モーツァルトも崇拝してますが、モーツァルトは弾くのが難しいので...........(笑)」「現代作曲家の曲はお弾きにならない?」「う..... 現代音楽も好きですと言ったら、嘘になっちゃいますね。良いと思える作曲家は一人いますが、それ以外は........ 形式からあまりにも自由な音楽は苦手なんです」 今回は人が多くてごちゃごちゃしていて暑かったのと、座り心地が良くなくていまひとつじっくりとトークに聞き入ることができなかったが、私も家族も演奏の部はしっかりと聴いた。平均律1〜7番までで、たろっぴのお気に入りは3番、ぷっちは6番。夫は1番だそうだ。私は7番が好き。でも、7番は家族には不評で、「テンポがゆっくり過ぎてじれったい」と言われてしまった。 よく考えてみると、私は「こうなんです、ああなんです」と言葉で語るようなテンポとリズムの曲が好みなのかもしれないと思った。 帰りの車の中では子ども達が「早速、CD聴こう〜」と言うので、ずっとかけながら帰って来た。 今回、この2枚組のCD「平均律 Vol.1」と一緒にもう一枚の「平均律」CDがリリースされている。 こちら これは、子ども向けの「平均律解説CD」で、12歳の女の子の質問にマルティンが答えるという形式で、具体的な演奏例を挟みながら平均律について解説しているもの。 聴いてみたけど、これはナカナカ良いわ。私は知識としてはすでに持っている内容だったけれど、小学校高学年から理解できそうだから、たろっぴにちょうどいい。夫も聴くつもりだと言っている。特に、音楽と感情というテーマではかなり力説入ってるので、テクニック習得に偏りがちな子どもにはお奨め。
by ongakunikki
| 2008-11-03 20:49
| コンサート
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