音楽家とアルコール中毒

昨日は私のピアノレッスン日。

普通の曲を弾いてるときには感じたことはないが、テクニック教本を練習しているとすぐに指が疲れる、と私が言ったら、

「疲れたら、無理しないでください。休み休みやってくださいね」と先生に言われた。
「指を痛めたらいけませんからね〜。それともドーピングでもしますか?(笑)」
「え?音楽にもドーピングってあるんですか?」と私。
「いやいや、指の筋力を増強する薬を使うとか、そういう意味ではないです。でもね、音楽家の世界は集中力を高めるためにカフェインの過剰摂取とか、あるんですよ。アルコール中毒も大きな問題ですね」
「アルコール?お酒飲んだら、指もつれるんじゃ?」
「アルコールは逆に気分を鎮めるのに使うんです」

先生が言うには、演奏家はコンサートの後は大変な精神高揚状態にあるので、リラックスするためにお酒を飲むことが多い。なぜならば、演奏後なるべくはやく通常の精神状態に戻れないと、生活に支障をきたしてしまう。だが、お酒を飲み過ぎると、翌日のリハーサルで指が思うように動かなかったりする。不安になり、ますますお酒を飲む。その悪循環で、アルコール依存症になる人がとても多いのだそうだ。

「ハノーファー音大の講義にも、音楽とアルコール依存症っていうゼミがあったんですよ」と言っていた。

プロになるまでが競争なのではなく、プロになってからの競争は一層厳しい。オーケストラに入団して最初の10年間はベテランの先輩団員に対してコンプレックスがあり、いつも不安を感じる。10年経って自分がベテランにんったら、今度は新人に追い越されるのではという不安が襲って来る。

そんなわけで、音楽家になるには精神的に相当強靭でなければならないようだ。
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# by ongakunikki | 2008-07-01 15:20 | 音楽メモ

キビキビ先生のお話

ぷっちは今日もバイオリンのレッスン。大体、月に2〜3回、土曜日に追加レッスンがある。

「もうすぐ夏休みですが、ぷっちは頑張っているのでご褒美に、夏休み中に2回、無料でレッスンをしますよ」と先生が言ってくれた。わ〜、感激。無料だなんて〜。

キビキビ先生が言うには、「ドイツの子はこの時期になるとすでに夏休み気分になってあまり練習をして来ない。親も「どうせもうすぐ夏休みなんだから」と思っているようだ。それは本当にドイツのよくないクセ。やるからには最後まできちんとやるべき。私も学期のギリギリまで真剣にレッスンをします」

先生はバイオリンのことだけでなく、たろっぴやぷっちの学校のこともすごく気にかけてくれている。

「ドイツの教育はダメだわ。サッカーの欧州戦の最中だから授業は休講だの、暑さ休みだの、なんだかんだと言ってちっともまともに授業をしないでしょう。教師達には責任感があるのかしら?もっとしっかり子どものことを考えて欲しいわ!

 学校教育だけじゃなく、音楽も同じ。ベルリンフィルへ行ってご覧なさい、オケには外国人しかいないから。ドイツにだって才能のある子はいる。でも、誰もそれを見つけてやらない。本当に困ったことだと思います。もちろん教師も人間だから、生徒との相性などはあるわよね。私だって苦手だなと思う生徒はいる。でも、そんな個人的感情で生徒の芽を摘むようなことはしちゃいけないわ。教師には生徒のポテンシャルを伸ばすという責任があるんです。学校の先生方ももっと責任を持って生徒の指導をすべきだと思う」

おーっ。これには感動した!

キビキビ先生は確かに厳しいけど、そんなに真剣な気持ちで指導に当たっていてくれていたとは。お金さえ貰えれば適当でいいやっていう気持ちで教えてくれてたら、やっぱりガッカリだもんなあ。
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# by ongakunikki | 2008-06-29 06:07 | 練習記録

近況

あわわわ。すっかり記録を怠って.......

バイオリンの方。

たろっぴは O.Riedingのコンチェルト H-moll を練習中。ぷっちは小コンチェルトに奮闘中。

先週、ぷっちはまたバイオリンの先生に叱られた。指の角度を注意されてるのになかなか直らないということで。家に帰って来て「一生懸命頑張ったのにーっ」と泣いていたけど、「一生懸命やっていたのはおかあさん、見ていたよ。でも、一生懸命やっても間違えてることって、誰でもあるよ。注意されたらがっかりなのはすごくわかるけど、言われたことに注意して練習すれば、きっともっと上手になれるよ!」と言ったら、泣き止んで頑張っていた。

昨日またレッスンがあったのだが、先生、ニコニコして出て来て、
「ぷっちはよくやりました!先週は厳しくしてごめんなさいね。でも、ぷっちはちゃんとついて来る。嬉しいです!」
と褒めてくれた。よかったね、ぷっち。


ピアノ。

子ども達は来週末、発表会。普段練習している曲の中からそれぞれ3〜4曲弾くので、もう大体仕上がっている。

ぷっちの場合、ピアノの宿題はバイオリンのようにたくさん出されないし、先生がおっとりしているので、ぷっちの上達はバイオリンの方がピアノよりずっと早い。多分、倍速ぐらい。ピアノの進歩はかなりゆっくり。

別にそれでも構わないと思うので、私は黙って様子を見ていたが、でもこの頃ぷっちのピアノの練習を聴いていて、「1年前には出来なかったことが今は出来るようになってるんだもん、やっぱり進歩したんだな〜。少しづつではあっても毎日欠かさず積み上げていることは必ず形になって表れるものだな」と感じて嬉しくなった。

それに、弾いているのは簡単な曲とはいえ、ぷっちは楽しそうに弾いてるし。ピアノとバイオリンを両方続けているだけでもなかなかすごいことだと思うから、進歩のことなんて気にせずに、いつも褒めてやろうと思った。


さて、私はといえば........

最近、テクニック練習に時間を取られて、肝心の曲がなかなか進まないのだが、小プレリュードは2声の曲は全部上がった。これからの3声が難しいんだよね〜。

もうじき夏休みでレッスンがお休みに入る。去年の夏休みはモーツァルトのソナタを勝手に自主練して、第一楽章がなんとか弾くだけなら弾けるというところまでで終わってしまったのだが、今年も再チャレンジしてみよう。

もしかしたら、去年よりは少しは楽に弾ける、かな?
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# by ongakunikki | 2008-06-27 17:53 | 練習記録

ぷっちもステップアップ

ピアノしかやっていない私の目から見ると、バイオリンというのはとても不思議な楽器に見える。

ピアノには分数楽器がないから、子どもは指が届かなくて、大人用に書かれた曲を弾くのは困難。一般に、子どもは子供用のピアノ曲を弾くものだと思うんだけど、バイオリンは違う。

習い始めたばかりの頃は、音を出すだけで精一杯。でも、基本的なことをおぼえたら、わりとすぐに曲らしい曲が弾けるようになる。ピアノだと、聴き応えのある曲を弾けるようになるまで、かなり何年もかかる気がするんだけど。(それは私だけかな?)

1年半前にバイオリンを習い始めた子ども達。これまでは簡単な練習曲集を中心に練習して来た。たろっぴは3冊目の曲集の前半が終わったところで、Kuechlerの小コンチェルトを練習することになったのだが、これが始まったとき、私はすごくびっくりした。

だって、それまでの練習曲は一曲せいぜい30秒くらいの短いものだったのに、突然、全楽章通しで15分以上もの長い曲になったから。難易度も一気に上がったように、素人耳には聞こえた。

実際には、この小コンチェルトは技術的には難しくなく、3冊目の練習曲集が大体できていれば問題なく弾けるそうだ。

これを練習し出してからは、当然のことながら、たろっぴは何ヶ月もこの曲にかかりっきり。その間にぷっちも3集目の練習曲集に進み、差は大分縮まって来た。もう少し!

でも、先日の発表会では、短い曲を弾いたぷっちよりも長い曲を弾いたたろっぴの方がインパクトが大きく、お客さんには「レベルが全然違う」風に映ったと思う。たまたま参加したのはほとんどが低学年の生徒で、たろっぴは大きい方から2番目だったことも手伝って、「さすが、大きい子は難しい曲を弾くのね〜」「たろっぴ君、上手だったわよ〜」なんて、たろっぴはよそのお母さんに褒めてもらった。

ぷっちは大ショック。。。。。。たろっぴに追いつこうと頑張ってるのに、って。

それが今日のレッスンで急展開した。レッスンから出て来たぷっち、

「私も今日から小コンチェルトを始めることになったの〜!!!!」

すっごく嬉しそう。家に帰って早速、練習していた。よかったね〜。これで数ヶ月後にはぷっちもカッコいい曲が演奏できることになる。

上の子と一緒に同じことをさせると、下の子が劣等感を持ちそうでマズいな〜と思うことが多々あるが、逆の見方をすれば常に目標があるということで、「とうとう自分もこの曲が弾ける!」と思ったときの喜びは大きいのかもしれない。
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# by ongakunikki | 2008-06-06 02:57 | 練習記録

音楽教育の目的

昨日のレッスンの後のお喋りの内容の一部を記録。

先生の生徒の一人にMさんという若い男性がいる。20歳前後で、ピアノを始めたのは3年だか4年前だそうだけれど、私よりずっとうまい。(ま、これは当たり前ね)

そのMさんは音大で勉強したいと言っていて、ご自身でライプツィヒ音大の受験要項など取り寄せたらしいが、受験資格が厳しくて無理だと諦めたそうだ。

「自分から諦めると言ってくれて、正直ホッとしました。彼は頑張っているし、とても上達が早いけれど、音大の入試は3〜4年レッスンをやった程度ではやはり無理ですね。でも、講師としては生徒のやる気をくじくような発言は心苦しくて、なかなか言いづらいです」

そ、そうだよね.........

「ボクの時代から比べても、ますます音大受験者のレベルは上がってるんですよ。ドイツ人だけが受験するならいいですが、今や世界中から受験者が来るでしょう。音楽教育がのんびりしているドイツの子はなかなかチャンスがないですよ。ロシアの子達とか、練習にかけるエネルギーやレッスン法が全然違いますから」

先生がそう仰るまでもなく、地元の受験生が英才教育の盛んな国からの受験者に完全におされていることは当然、知っていた。

最近、ドイツの高校では授業内容を音楽に特化して、音大受験を目指す生徒をその方向に向けて準備するという学校も増えて来ている。うちの近くにもいくつかある。

「ああいうのって、どうなのでしょうか。音楽を仕事にしたいと思う生徒のためのサポートプログラムがあること自体はいいことだと思うけれど、ギムナジウムの音楽科やタレントクラスに入ったとしても、全員が音大に進めるわけじゃないし、うまく行かなかったら他の分野に軌道修正することも難しいのではないですか?」と私は聞いてみた。

「う〜ん。ボクはその辺り、あまり詳しくないんですけど、ただ言えることは、現在の音楽教育の目的は特別な才能を持つスター演奏家の発掘に集中し過ぎているってことです。人よりも早く始め、人よりも技術を身につけ、人よりも認められるようにって、すっかり競争になってしまってます。

真の才能を持つ演奏家を育てることはもちろん大事だけれど、ボクは、音楽大学というのは、本来、普通の音楽家のためにあるべきだと思うんです。いくら才能溢れる演奏家が出現しても、聴き手が育っていなければ何もならないでしょう。音楽教育は一握りのスター候補生のためにあるのではなくて、文化を広めたり深めたりするためにあるべきじゃないかな。

最近はコンサートの客年齢がすごく高くなってますよね。これで後10年、20年したら、もう音楽を聴きに行く人はいなくなりますよ。それに、せっかく発掘したはずの若手演奏家も、数年だけ脚光を浴びてその後消えて行くケースも多いです。音楽って一体、何なのか?ただの競争なのか?ボクは今の音楽教育の流れには疑問を感じます」

なんかいろいろ考えちゃった........
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# by ongakunikki | 2008-06-03 19:28 | 練習記録

発表会シーズン

日曜日は子ども達のバイオリンの発表会だった。

去年はぷっちが一番新米で最年少だったのに、いつの間にか一年生がたくさん入って来ていて、ぷっちは古株とまではいかないけど、真ん中辺りに演奏した。

暑くてちょっとダレてたのかな?いつもよりインパクトのない弾き方であれっ?っと思ったけど、本人は満足したみたいなのでよかった。

たろっぴはKuechlerの Concertino第一楽章を演奏した。会場は教会の建物だったので天井が丸く、音が良く反響して、実際よりも上手に聞こえたゾ。長い曲だから、ところどころ音を外してもあんまり目立たないのと、あと......... 奮発していいバイオリンを買ってやったので、楽器に助けられた部分も大いにあったかな〜。

ぷっちにも良い楽器、買ってやりたいなと思った。今回は兄妹で音質の違いがあまりにも目立っちゃって、ちょっと可哀想だったから。

バイオリンの発表会が終わってやれやれと思ったら、4週間後にピアノの発表会だって。忙しいな〜。

今日の私のピアノレッスンでは、またハゲツル先生といろいろお喋りしたんだけれど、その内容については改めて。
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# by ongakunikki | 2008-06-03 03:20 | 練習記録

エリーゼ再び

すっかり更新を怠っていたのは、学校がしばらくお休みだったので、家族でエジプトへ出かけていたためで、先週から楽器の練習を再開し、いつもの日常に戻った。

子ども達は2週間後にバイオリンの発表会!急に先生に言われて、このところ練習していなかったから、ちょっと焦ってしまった。

キビキビ先生は本来はベルリンの音楽学校の先生だけれど、私たちの住んでいる村とポツダム市でもお弟子さんを取っている。今度の発表会は、村の子とポツダムの子達の発表会。前回の発表会は、日程的にみんなの都合がなかなかつかず、結局うちの子達を含めた4人だけが先生のお宅で家族を前に演奏するというすごくこじんまりした形だったけれど、今度は一応会場も借りて、それなりに発表会らしくなる予定。

ピアノの方は特に変わったこともないけれど、たろっぴが「エリーゼのために」を練習することになった。

日本からドイツへ引っ越したドサクサでピアノを弾くのはすっかりやめてしまっていたたろっぴが、ある日突然思い出したようにピアノに向かったのは、たまたま「エリーゼのために」のCDを私が流し、「あ!これ、知ってる!」と彼の関心を惹いたからだった。その日からたろっぴは寝ても覚めてもエリーゼエリーゼで練習しまくっていたが、どうしても中間部の左手がうまくできない。それで、「ぼく、やっぱりピアノレッスン受けたい!」となり、登場したのがハゲツル先生だった。

しかしハゲツル先生は、「たろっぴは基礎ができていないから」という理由で、エリーゼ練習を却下。「とりあえずリハビリのために易しい曲に戻って、基礎がきちんとついてからにしましょう」

すぐにやりたい曲を教えてもらえるものだと思っていたたろっぴはちょっとしょぼくれていたが、先生の言う通りに練習して一年が経過した。もういい加減、エリーゼを弾きたい!と先日、先生に言ってみたところ、「そうだね。じゃ、やってみようか!」とOKが出た。

久しぶりに弾いてみると、前に自己流で挑戦していたときよりも楽に弾ける気がすると言っている。中間部の左手も一応弾ける。まだ粒が揃っているとは言えないので、その辺りがこれからの課題のようだ。
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# by ongakunikki | 2008-05-27 19:27 | 練習記録

Fazil Say

Fazil Sayのコンサートに私、たろっぴ、ぷっちの3人で行って来た。

プログラム:

J.S.Bach/Fazil Say
Passacaglia c-Moll BWV582

Beethoven
Klaviersonate Nr.23 f-Moll op.57 (Appassionata)

Ravel
Sonatine fis-Moll

休憩

Fazil Say
Black Earth

Fazil Say/George Gershwin
Summertime-Fantasy

Fazil Say
3 Ballades
1. Nazim
2. Kumru
3. Sevenlere Dair

Fazil Say
Paganini Variations in the Style of Modern Jazz

と〜〜〜っても素敵で愉しいコンサートだった!どれも良かったけど、私は特にベートーベンに感動。

彼のCDはモーツァルトを1枚持っているけど、演奏しているのを見たのは初めて。なんか、でれ〜んという感じで入って来て、曲の合間に立ってお辞儀をするときなんて、「も〜、眠くて死にそ」って風な表情なんだけど、いつもあんな風なのだろうか。演奏中はランランに匹敵するか!?というほど体全体で表現するタイプで、どうやら右斜め前方を見るのが癖のようだが、私たちはたまたまそこに座っていたので、何度も目が合ってしまった気がしてドギマギしてしまった。

わりに太めな音(という表現が正しいかわからないけれど)で、とても迫力があって、ペダルを踏むたびにピアノが前に移動して行っているのには驚いた。弾きながら歌っている声もかなり聞こえていた。

演奏の感想はうまく言葉で表現できないので、省略。でも、たろっぴもぷっちもギンギンだったのがインパクトの強いコンサートだった証ではないかな。たろっぴはBlack Earthが非常に気に入ったと言っていた。

アンコールは Rapsody in Blueだったので、子ども達は大喜び。もう一曲もよく知っている曲だったけど、曲名がどうしても思い出せず........ トルコ行進曲を弾いてくれなかったのが残念だったけど、チケット代26ユーロ(S席)で大満足のコンサートだった。

なにより、ぷっちが最後まで起きていて、しっかり聴いていたのにびっくりした。途中で寝ちゃうかなと予想してたんだけど。
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# by ongakunikki | 2008-05-05 15:30 | コンサート

Jugend musiziert 入賞者コンサート

私たちの住んでいる村の教会で、Jugend musiziertという全国青少年音楽コンクールのブランデンブルク州大会入賞者のコンサートがあった。

入場は無料だったので行ってみたのだが、お客さんは多分演奏者の家族のみでおじいさんおばあさんが多く、こじんまりとしていた。

演奏を発表したのは、州大会の入賞者全員ではなく、アンサンブル部門と歌だけだったから、残念ながらバイオリンやピアノはなし。年齢は中学〜高校生くらい。服装は上下黒、もしくは上が白に下が黒で統一していたが、セーターにズボンという感じでカジュアルで、ドレスやスーツで正装というのではなかった。日本だと、幼稚園児でも発表会にドレスを着るけど、随分違うものだ。

演奏したのは、ポツダムの公立音楽学校のリコーダークインテット、コットブスのコンセルヴァトリウムのアコーデオンデュオおよびクインテット、クラインマクノウ市音楽学校からバリトンソロの青年、もう一つはこのコンクールとは別の地元のコンクールCaputher Musikenコンクールで入賞した管楽器のクインテット。

リコーダーというと、日本では音楽の時間に習うので、お金を出して習いに行くというのが私はあまりピンと来ていなかったけれど、聴いてみるととても綺麗だった。リコーダーもあんなに芸術的に演奏できるんだなあ。学校の音楽の時間では一人一人に丁寧な指導は無理だから、吹くだけで終わってしまうのはしかたがないが。

特に最後の曲は現代音楽で、森の音をリコーダーやいろんな道具を使って表現していて大変創造性豊かで感動した。

アコーデオンはデュオの方もクインテットも演奏レベルが高くてびっくり。後でコットブスのコンセルヴァトリウムのHPを見てみたら、この音楽学校は毎年多数のコンクール入賞者を出しているようだ。

バリトン青年はモーツァルトのArie des Papageno を含む3曲を披露してくれた。素晴らしい表現力でとても楽しめた。Johannes Dunzさんという名前の人。音楽性はもちろんのこと、長身でイケ面でもあるので、もしかしたら売れるかもしれない。今後に注目☆


これら演奏者は近々全国大会に出場する。みなさんに頑張って欲しいな。陰ながら応援していよう。
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# by ongakunikki | 2008-04-27 15:57 | コンサート

脳と音楽

私の大好きなドイツの脳科学者、マンフレッド=シュッピッツァー氏のこれを聴いた。

Mozarts Geistesblitze Wie unser Gehirn Musik verarbeitet(モーツァルトの脳の稲妻 脳が音楽を処理する仕組みとは?)

モーツァルト個人の脳を云々しているわけではなく、人の脳にとって音楽とは何か?「音楽する」ことで脳内では何が起こっているかを解説したCD。

いつもながらシュピッツァー先生の話は面白く、わかりやすい。私が特に面白かった点は以下の通り。

* 音楽は「脳」で起こる。音というのはそもそも空気の振動だけれど、音楽を聴き、創り、学ぶという行為をするのは脳。音楽体験において耳という器官が為す部分はごく小さな一部分に過ぎず、脳内のあらゆる部位を活性化することで音楽体験が起こる。

* 脳には「音楽野」という特定の部位があるわけではない。音楽にはリズム、ハーモニー、メロディーといった様々な要素があり、感情に働きかけ、記憶と密接に関っている。そのため、脳内の非常に多くの部位が同時に活動する。

* 音楽体験は常に時間の経過の中で起きる。聴覚情報を処理するワーキングメモリーの容量は限られていて、普通の人では大体5〜8秒間しか音を記憶することができない。音楽にはフレーズがあり、フレーズの長さが大体決まっているのは脳のワーキングメモリー容量に対応しているのだ。(曲を一度聴いただけで全部覚えてしまうような人の脳はもしかして別?このへんはまだよくわかっていないらしい)

*音楽は、同じものでも聴く人によって違って聴こえる、もしくは違って感じられる。これは人によって脳が違うから。個人個人の異なる経験がその人の脳を形作っているため、それぞれの脳内で音楽は異なったかたちで体験される。(同じ人でも、時間の経過の中でどんどん脳は変化するんだから、聴くときによって違って聴こえるのは当然だし、また、聴くという行為そのものによってふたたび脳は変化するということかな?)

*良い音楽を聴くと「鳥肌が立つ」。これはどういうことか?実際に音楽を聴いて鳥肌を立てている人の脳をスキャンしてみると、肯定的な感情をつかさどる部位が活性化しているのがわかる。良い音楽はドーパミン系を活性化させると同時に、否定的な感情をつかさどる扁桃核を不活性にする。扁桃核は「不安、恐れ」を処理する部位で、ここが遮断されてしまうので、良い音楽を聴いているときには人は「良い気分」でいられる。

* 「音楽は右脳で処理される」という定説は必ずしも正しくない。どのように音楽を聴くかで脳の使われ方が変わって来る。音楽を分析的に聴く人(音楽を専門的に学んだ人の多く)は左脳を良く使い、音楽を全体的に聴く人(素人や子ども)は右脳を使っていることが多い。

* かつて、プラトンは言った。「まともな人間に育つために必要なものは二つ。それはスポーツと音楽だ。スポーツばかりに偏ると、感性の鈍い人間になる。音楽ばかりに偏るとナヨナヨした人間になる。大事なのはバランスだ」人間の健全な成長に音楽とスポーツが欠かせないというのは、それから2500年ほど経った今も変わっていない。しかし、現代の教育において音楽は軽視される傾向にある。スポーツは「健康のため」という理由で奨励されているが、「算数や理科ができれば音楽なんてやらなくてもよい」と考える風潮が強い。

 しかし、音楽は子どもの成長に多くのメリットをもたらすものだ。音楽は一人でするよりも人と一緒にする方が楽しく、競争ではなく人と協力することで何かを生み出すという経験ができる。また、積み重ねによる進歩を必ず感じることができる。音楽は「学ぶことを学ぶ」のに役に立ち、人との関り方を学ぶのにも役に立つ。そして楽しい。


よ〜するに、嫌がる子どもに無理強いするような行為はさておき、音楽はとっても心と体とそして頭にも良いってことだ。

「どうせ才能がないから」と言って音楽体験をしないのは、とっても勿体ない。
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# by ongakunikki | 2008-04-15 17:17 | 音楽メモ