Lang Lang自伝とインタビュー
Lang Langの自伝をドイツ語で読んだ。
かなりショックな内容、、、、五嶋みどりさん自伝も気が滅入ったけど、こちらも本当に辛かった。 彼の父親は熱心なんていうのを通り越していて、狂気の沙汰としか私には思えず、父親の熱意があってこそ今の息子があるということは認めても、美談であるとはどうしても受け入れられなかった。 異常な子ども時代を、それほどドラマチックにも感傷的にもなることなく語っているのがまた不思議でもあり、本人は今、自分の過去をどう思っているのだろうか?と気になったり、まだ二十代の彼には過去を振り返るのは早すぎるのではないかという気がしたり、、、、、、 アマゾンのレビューを見ると、ドイツと日本はそれぞれ二人くらいしかレビューを書いていないので一般化できないとして、アメリカの方を見たら、「素晴らしい!感動!」という感想を書いている人達はほとんど中国系の人のようだ。 もちろん、同胞の中からあのように成功した人物が出たということは中国の人にとって誇らしいことであると思う。日本人から彼のような人が出たら、「親の苦労の賜物」と絶賛する日本人もきっといるだろう。 でも、メンタリティの違いというのはやはりあるのだろうなと思わざるを得なかった。欧米の読者はあの自伝を読んで、どう感じただろう。彼の父親は「天才を育て上げた素晴らしい親」とはみなされないのではないかな。気違いでしかないのでは? そんな風に思っていたら、ゆうべたまたまドイツのテレビでランランのインタビューが流れた。短いものだったけれど、内容は自伝に関するもので、父親は否定的に紹介されていた。やっぱりなあ。 「お父さんと貴方の辛かった子ども時代について話をされることはありますか?」という問いに対し、 「いいえ。父と昔の話はできません。この話題は避けています。過去を思い出すことは父にとって、とても辛いことだと思います」と彼は答えていた。 自分が子どもにして来たことは、異常なことだったとお父さんも今では思っているのだろうか? 親の過剰な期待に子どもが潰れれば、その親は世間に非難される。でも、同じことをしても子どもが成功すれば、美談となってしまうことが多い。子どもが社会的に成功さえすれば、親の子虐待の罪は消えるのだろうか。 なんだか釈然としない気持ちが残ってしまった。 過去を変えることは誰にもできないのだからしかたがない。ランランにはこれから音楽家として幸せな人生を歩んで欲しいな。
by ongakunikki
| 2009-04-02 17:49
| 音楽メモ
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