音楽家とアルコール中毒
昨日は私のピアノレッスン日。
普通の曲を弾いてるときには感じたことはないが、テクニック教本を練習しているとすぐに指が疲れる、と私が言ったら、 「疲れたら、無理しないでください。休み休みやってくださいね」と先生に言われた。 「指を痛めたらいけませんからね〜。それともドーピングでもしますか?(笑)」 「え?音楽にもドーピングってあるんですか?」と私。 「いやいや、指の筋力を増強する薬を使うとか、そういう意味ではないです。でもね、音楽家の世界は集中力を高めるためにカフェインの過剰摂取とか、あるんですよ。アルコール中毒も大きな問題ですね」 「アルコール?お酒飲んだら、指もつれるんじゃ?」 「アルコールは逆に気分を鎮めるのに使うんです」 先生が言うには、演奏家はコンサートの後は大変な精神高揚状態にあるので、リラックスするためにお酒を飲むことが多い。なぜならば、演奏後なるべくはやく通常の精神状態に戻れないと、生活に支障をきたしてしまう。だが、お酒を飲み過ぎると、翌日のリハーサルで指が思うように動かなかったりする。不安になり、ますますお酒を飲む。その悪循環で、アルコール依存症になる人がとても多いのだそうだ。 「ハノーファー音大の講義にも、音楽とアルコール依存症っていうゼミがあったんですよ」と言っていた。 プロになるまでが競争なのではなく、プロになってからの競争は一層厳しい。オーケストラに入団して最初の10年間はベテランの先輩団員に対してコンプレックスがあり、いつも不安を感じる。10年経って自分がベテランにんったら、今度は新人に追い越されるのではという不安が襲って来る。 そんなわけで、音楽家になるには精神的に相当強靭でなければならないようだ。
by ongakunikki
| 2008-07-01 15:20
| 音楽メモ
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